名曲ガイド#04 キング・クリムゾン『レッド』

#04 king crimson red king crimson

King Crimson『Red』

洋楽ロックの黄金時代に生まれた名曲の中から、渋めの曲を選んで掘り下げる名曲ガイドシリーズ。第4回はキング・クリムゾンのヘヴィーなインストゥルメンタル・ナンバー「Red」です。

“空飛ぶレンガの壁”とオクタトニック・スケール

Kibg Crimson Red

リリース:1974年
収録アルバム:レッド(Red)

【クレジット】
作曲:ロバート・フリップ (Robert Fripp)
プロデューサー:キング・クリムゾン(King Crimson)
レコーディング・エンジニア:ジョージ・シキアンツ(George Chkiantz)、ロッド・セアー(Rod Thear)

【パーソネル】
ロバート・フリップ(Robert Fripp)ギター、メロトロン
ジョン・ウェットン(John Wetton)ベース、ヴォーカル
ビル・ブルーフォード(Bill Bruford)ドラムス、パーカッション

【ゲスト・ミュージシャン】
デヴィッド・クロス(David Cross)バイオリン 「神の導き(Providence)」のみ
メル・コリンズ(Mel Collins)ソプラノ・サックス
イアン・マクドナルド(Ian McDonald)アルト・サックス
マーク・チャリグ(Mark Charig)コルネット
ロビン・ミラー(Robin Miller)オーボエ

【シングル・チャート】
全英アルバムチャート(UK Albums Chart):最高45位
ビルボード200 (Billboard 200 – US):最高66位

キング・クリムゾンが3人体制でアルバム『レッド』を発表した当時のジョン・ウェットンとビル・ブルーフォードの強力なリズム隊について、ギターのロバート・フリップは“空飛ぶレンガの壁(A Flying Brick Wall)”と評したそうです。ヘヴィーにブンブン唸るベースと、タイトにチューニングされた鋭いスネアの音とシンバルが響くドラムには圧倒的なパワーがありました。

温かみなど一切ない攻撃的なベースとドラムをバックに、“俺は俺で好きに弾く“とでも言っているかのようなロバート・フリップのギターが不穏で不安定な音を奏でます。実際は綿密なアンサンブルがそこにはあるのだと思いますが、和気あいあいとしたバンドではなかったキング・クリムゾン内の不協和音がこの曲にも表れているのかもしれません。

ギターのメインリフが不安定に聴こえるのは半音と全音を交互に繰り返すオクタトニック・スケールを使っているからだそうで、単純明快なロックとは異なり感情が高ぶるビブラートやチョーキングを使うこともなく、機械的にピッキングすることでどこまでも緊張感が続きます。この冷徹なギターと“空飛ぶレンガの壁”がぶつかる楽曲が、ヘヴィーなプログレッシブ・ロックの極致とも言える「レッド」です。

リズム隊の二人はアルバムの出来に満足していたものの、ロバート・フリップが“バンドを解散する“と宣言したので最強のスリーピース・プログレバンドはツアーに出ることもありませんでした。ファースト・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』でとてつもない衝撃を与えた第一次キング・クリムゾンは、ヘヴィーな『レッド』で幕を閉じることになります。

緊張感のある曲ですが、できるだけいい音でボリュームを上げて気合も入れつつ細部まで聴き込む、そんな楽しみ方がこの曲には似合うと思います。プログレッシブ・ロックってそういうジャンルの音楽じゃないでしょうか。

※Spotifyプレイヤーの再生ボタンを押すと試聴できます(ログインしていない場合は30秒のプレビューとなります)。音量はお使いの端末で調整してください


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