名曲ガイド#07 ボズ・スキャッグス『ハード・タイムス』

#07 boz scaggs hard times boz scaggs

Boz Scaggs『Hard Times』

70年代洋楽ロックの名曲を深堀りする第7回はAORの旗手、ボズ・スキャッグスのクールなナンバー「ハード・タイムス」です。

ボズのボーカルとジェフ・ポーカロのドラムス

boz scaggs down two then left
Boz Scaggs Down Two Then Left

リリース:1977年
収録アルバム:シルク・ディグリーズ (Silk Degrees)

【クレジット】
作詞作曲:ボズ・スキャッグス (Boz Scaggs)
プロデューサー:ジョー・ウィザート (Joe Wissert)
レコーディング・エンジニア:トム・ペリー (Tom Perry)

【パーソネル】
ボズ・スキャッグス (Boz Scaggs):ボーカル
スティーヴ・ルカサー (Steve Lukather):ギター
レイ・パーカー・ジュニア (Ray Parker Jr.):ギター
スコット・エドワーズ (Scott Edwards):ベース
ジェフ・ポーカロ (Jeff Porcaro):ドラムス
ジム・ギルストラップ (Jim Gilstrap):バック・ボーカル
ジョン・レーマン (John Lehman):バック・ボーカル
ゼドリック・ターンボウ (Zedric Turnbough):バック・ボーカル

【シングル・チャート】
Billboard Hot 100 (US): 最高58位

腕利きの一流ミュージシャン達をバックに歌うボズ・スキャッグスの「ハード・タイムス」は、出だしからもうお洒落で大人っぽくて、ボズのボーカルが入るところはゾクゾクするくらいカッコ良いです。元々ブルースやソウル、R&Bをルーツとするボズでしたが、前作『シルク・ディグリーズ』はAOR(海外ではアダルト・コンテンポラリーか。)の記念碑的作品として大ヒットしました。

『ダウン・トゥー・ゼン・レフト』はその路線を更に突き詰めた作品で、中でも「ハリウッド」と並んで注目を集めた曲が「ハード・タイムス」でした。売れっ子のスタジオ・ミュージシャンが集結したのは前作と同じで、ジェフ・ポーカロとデヴィッド・ハンゲイトのリズム隊、キーボードのデヴィッド・ペイチとマイケル・オマーティアンらは両作に参加してボズの信頼が厚かったことが分かります。

19歳で「ハード・タイムス」のソロを弾いたギターのスティーヴ・ルカサーは、その後デヴィッド・ペイチやジェフ・ポーカロらと共にTOTOを結成して、83年には『聖なる剣(Toto IV)』でグラミー賞の最優秀アルバム賞など主要部門を含む計6部門で受賞。跳ねるようなシャッフル・ビートが持ち味のドラムスのジェフ・ポーカロは、この曲で派手ではないもののハートに響く実にいい音を聴かせてくれます。

改めて「ハード・タイムス」を聴いてみると、ボズ・スキャッグスのボーカルが良いのは勿論ですが、一番印象に残るのはジェフ・ポーカロのドラムスです。スタジオ・ミュージシャンとして鍛えたテクニックやこの曲に合わせたチューニング、録音の良さもあると思うのですが、とにかく素晴らしい。

92年に38歳という若さで急逝してしまったのが残念ですが、当時彼は世界で最も多忙なセッション・ドラマーの一人でもあり、クレジットが確認されているだけでも参加したアルバムの枚数は1000枚以上にのぼるそうです。多くのミュージシャンに愛された名ドラマーの素晴らしい演奏が記録されているのが『ダウン・トゥー・ゼン・レフト』であり、「ハード・タイムス」だと思っています。

※Spotifyプレイヤーの再生ボタンを押すと試聴できます(ログインしていない場合は30秒のプレビューとなります)。音量はお使いの端末で調整してください


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