名曲ガイド#09 エリック・クラプトン『ワンダフル・トゥナイト』

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Eric Clapton『Wonderful tonight』

70年代洋楽ロックの名曲ガイド第9回は、エリック・クラプトンの苦悩が歓喜に変わって生まれたラブソング「ワンダフル・トゥナイト」です。

エリックとジョージとパティ・ボイド

eric clapton slowhand

リリース:1977年
収録アルバム:スローハンド (Slowhand)

【クレジット】
作詞作曲:エリック・クラプトン(Eric Clapton)
プロデューサー:グリン・ジョンズ(Glyn Johns)
レコーディング・エンジニア:ジョン・アストリー(Jon Astley)

【パーソネル】
エリック・クラプトン (Eric Clapton):ボーカル、ギター
ジョージ・テリー (George Terry):リズムギター
カール・レイドル (Carl Radle):ベース
ジェイミー・オールドエイカー (Jamie Oldaker):ドラム、パーカッション
ディック・シムズ (Dick Sims):キーボード (Fender Rhodes / Hammond Organ)
イヴォンヌ・エリマン (Yvonne Elliman):バック・ボーカル
マーシー・レヴィ (Marcy Levy):バック・ボーカル

【シングル・チャート】
全米ビルボード・ホット100 (Billboard Hot 100):16位
全英シングルチャート(UK Singles Chart):30位
日本 オリコン・インターナショナル・シングル:1位

エリック・クラプトンとジョージ・ハリスンの交友は60年代から続いていて、クリームの名曲「バッジ」を共作したり、ジョージの名曲「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」でギターソロを弾いたりと、公私ともに意気投合していました。問題はクラプトンがジョージの奥さんだったパティ・ボイドを好きになってしまったことです。

クラプトンが狂おしい想いをぶつけた「いとしのレイラ」は彼の代表作になり、その後ジョージと離婚したパティと結婚、幸せいっぱいで書いた曲が「ワンダフル・トゥナイト」です。親友と元妻が結婚という複雑な状況に直面したジョージですが、人がいいというか懐が深いというか、その後も友情が続いたのはクラプトンとよっぽど気が合っていたんでしょうね。

「ワンダフル・トゥナイト」でゆったりとしたリズムに乗ってエリック・クラプトンが弾くギターは愛称ブラッキー、1950年代製のフェンダー・ストラトキャスターです。情感たっぷりのイントロはハーフトーンと呼ばれるフロント・ピックアップとセンター・ピックアップの中間ポジションを用いたもので、柔らかく繊細な音が特徴です。クリーム時代のギブソンSGやES335を使った甘くて太いウーマントーンと、ストラトキャスターを使ったハーフトーンはエリック・クラプトンの代名詞のようなものですが、ガンガン弾きまくっていたトリオ時代と柔らかい音を好むようになったソロ時代とでは、ギターも音色も違うのが興味深いです。

ベースのカール・レイドルはデラニー&ボニーからの付き合いでクラプトンの信頼も厚く、『いとしのレイラ』や『461 オーシャン・ブールヴァード』にも参加。『スローハンド』をプロデュースしたグリン・ジョンズはエンジニアやプロデューサーとしてビートルズの『レット・イット・ビー』やストーンズの『ベガーズ・バンケット』、イーグルスの『ならず者』などを手掛けた人です。名曲や名盤は常に優秀なミュージシャンやスタッフが支えているということですね。

2001年の11月にジョージ・ハリスンが亡くなったあとに、エリック・クラプトンは自ら音楽監督を務めて追悼コンサート『コンサート・フォー・ジョージ』を2002年11月に開催しました。ポール・マッカートニーやリンゴ・スター、ジョージの息子のダニーらが出演したコンサートで、クラプトンは「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」を演奏しました。多くの人に愛されたジョージとの友情は、30年以上の長きに渡って続いていたのです。

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