名曲ガイド#13 カーリー・サイモン『うつろな愛』

#13 carly simon you're so vain carly simon

Carly Simon『You’re So Vain』

70年代洋楽ロックの名曲ガイド第13回は、豪華メンバーが参加したカーリー・サイモンのヒット曲「うつろな愛」です。

力強いピアノと繊細なハート

Carly Simon『You're So Vain』

リリース:1972年
収録アルバム:ノー・シークレッツ(No Secrets)

【クレジット】
作詞作曲:カーリー・サイモン (Carly Simon)
プロデューサー:リチャード・ペリー (Richard Perry)
レコーディング・エンジニア:ロビン・ジェフリー・ケーブル (Robin Geoffrey Cable)
リミックス・エンジニア:ビル・シュネー (Bill Schnee)

【パーソネル】
カーリー・サイモン (Carly Simon):ボーカル、ピアノ
ジミー・ライアン (Jimmy Ryan):エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター
クラウス・フォアマン (Klaus Voormann):ベース
ジム・ゴードン (Jim Gordon):ドラムス
ポール・バックマスター (Paul Buckmaster):オーケストラ編曲
ミック・ジャガー (Mick Jagger):バッキング・ボーカル ※クレジットなし

【シングル・チャート】
Billboard Hot 100:最高1位(3週連続)
Billboard Adult Contemporary:最高1位
UK Singles Chart:最高3位

アルバム『ノー・シークレッツ』のジャケットでセクシーかつ爽やかな姿を見せるカーリー・サイモンが、自惚れた男たちを痛烈に皮肉った曲が「うつろな愛」です。この曲で最初に気になるのは奇妙な響きのベースと、ボーカルが入る前に鳴る印象的なピアノですね。風変わりなベースを弾いたのはビートルズの『リボルバー』のジャケットデザインでも知られるクラウス・フォアマン、力強い音を響かせるピアノはアルバムを録音したロンドンのソーホーにあるトライデント・スタジオのベヒシュタインという銘器です。

硬質でクリアな音を特徴とするこのピアノから生まれた曲は、ビートルズの「ヘイ・ジュード」、エルトン・ジョンの「ユア・ソング」、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」など、まさに後世に残る名曲ばかりです。プロデューサーのリチャード・ペリーがトライデント・スタジオを選んだのは、カーリー・サイモンの力強いタッチや歌の内容にベヒシュタインのピアノが合っていると判断したことと、16トラックの多重録音が可能だったことでした。

たまたまスタジオを訪れてコーラスに参加することになったミック・ジャガーのボーカル、デレク・アンド・ザ・ドミノスの「いとしのレイラ」にも参加した名手ジム・ゴードンのドラム、全編に渡って印象的なジミー・ライアンのギター、そして豪華なオーケストラなどを贅沢に重ねて16トラックの強みは十分に生かされることになりました。リチャード・ペリーの手腕を証明するように、特に前半でカーリー・サイモンが弾くピアノの音は埋もれることなく力強い存在感を放っています。

彼女の父親は全米でも有数の出版社の共同創業者で、クラシックの素養もありピアノはプロ級の腕前でした。恵まれた環境で育ってプロのミュージシャンになったのは自然な流れなのかもしれませんが、子供の頃は吃音に悩まされていたそうで、あの屈託のない笑顔からは想像もできません。歌うことでなんとか吃音を克服したものの、プロになってからは極度の緊張に悩まされていたとのことで、繊細さを抱えながら歌っていたんですね。

曲の背景について調べていくと色々興味深いことが出てくるのですが、何も知らずに初めて聴いたとしても「うつろな愛」が良い曲であることに変わりはありません。ギターを弾く方向けに歌詞とコード付きの動画を埋め込んでおきましたので、興味のある方は是非ご覧ください。簡単なコードで気持ち良く弾けるのでおすすめです。

※Spotifyプレイヤーの再生ボタンを押すと試聴できます(ログインしていない場合は30秒のプレビューとなります)。音量はお使いの端末で調整してください

▼「うつろな愛」歌詞/ギターコード付き 弾き語り用動画

#12 Waiting for an Alibi ◀#13 You’re So Vain ▶#14


サイトマップはこちら

コメント