名曲ガイド#11 イーグルス『ニュー・キッド・イン・タウン』

#11 new kid in town eagles

Eagles『New Kid in Town』

70年代洋楽ロックの名曲ガイド第11回は、爽やかなコーラスが美しいイーグルスの「ニュー・キッド・イン・タウン」です。

完璧なコーラスとテックス・メックス

#11 eagles new kid in town

リリース:1976年
収録アルバム:ホテル・カリフォルニア(Hotel California)

【クレジット】
作詞作曲:ドン・ヘンリー (Don Henley)、グレン・フライ (Glenn Frey)、J.D.サウザー (J.D.Souther)
プロデューサー:ビル・シムジク (Bill Szymczyk)
レコーディング・エンジニア:ビル・シムジク (Bill Szymczyk)、アラン・ブラズィク (Allan Blazek)、エド・マシュ (Ed Mashal)

【パーソネル】
グレン・フライ (Glenn Frey): リード・ボーカル、アコースティック・ギター
ドン・ヘンリー (Don Henley): ドラムス、バッキング・ボーカル
ジョー・ウォルシュ (Joe Walsh): エレクトリック・ピアノ、ハモンド・オルガン、バッキング・ボーカル
ドン・フェルダー (Don Felder): エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター
ランディ・マイズナー (Randy Meisner): ギタロン(アコースティック・ベースギター)、バッキング・ボーカル

【シングル・チャート】
Billboard Hot100:最高1位
Billboard Adult Contemporary:最高2位
Billboard Hot Country Singles:最高43位
UK Singles Chart:最高20位

1976年にリリースされたイーグルスの『ホテル・カリフォルニア』は全米で2800万枚、全世界で4200万枚以上売り上げた名盤です。シングルカットされたのはタイトル曲と「駆け足の人生 (Life in the Fast Lane)」、そして「ニュー・キッド・イン・タウン (New Kid in Town)」の3枚で、いずれも大ヒットしました。

グレン・フライがリード・ボーカルを取った「ニュー・キッド・イン・タウン」はイーグルスの持ち味を最大限活かした曲で、美しく切ないメロディーと洗練された完璧なコーラスワークで街の人気者が入れ替わっていく様子を描いています。歌の主人公”Johnny”とは前回の「シューティング・スター」同様、音楽業界のスターの象徴ですね。

この曲で変わっているのはランディ・マイズナーが弾くギタロンという大きなウッドベースで、カントリー・ロックとメキシコ文化が融合したテックス・メックスの風味を加えるべく導入したメキシコの伝統的な楽器です。サステインの効いたエレクトリックベースの音よりも、アコースティックでパーカッシブな音を求めてプロデューサーのビル・シムジクが提案したのだそうです。

大きい上にフレットレスなのでランディ・マイズナーがどう思ったかは分かりませんが、気をつけて聴いてみると歯切れの良さとは違う、プツっと切ったようなパーカッシブかつ温かみのある低音で、確かにエレクトリックベースとは違いますね。もうひとつこの曲で変わっているのはジョー・ウォルシュがギターを弾いていないことです。

素朴でアコースティックな雰囲気を出すためにグレン・フライとドン・フェルダーのギター2本に加えてジョー・ウォルシュの個性的なギターはいらないと考えて、キーボードも弾ける彼にフェンダー・ローズとエレクトリック・ピアノを任せたのもビル・シムジクの意向だそうです。イーグルスでは新参者だったジョー・ウォルシュも、個性を主張するよりバンドのアンサンブルを優先したんでしょうね。

持ち前の美しいコーラスを活かす工夫を重ねた結果、「ニュー・キッド・イン・タウン」はシングルチャート1位のみならずグラミー賞で「最優秀ボーカル・アレンジ賞」を受賞します。歌詞に登場する新参者のJohnnyは新しくやってくる誰かと入れ替わってしまう運命にあるのですが、イーグルスはアメリカで最も成功を収めたロックバンドとなり、その後彼らに匹敵するバンドが出現することはありませんでした。

※Spotifyプレイヤーの再生ボタンを押すと試聴できます(ログインしていない場合は30秒のプレビューとなります)。音量はお使いの端末で調整してください


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